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小中学校における教育コミュニケーション実態調査 ~親と保護者のコミュニケーションギャップ~

地域・生活者コミュニティサイト「Lococom」を運営するネクストでは、全国の小中学校の教職員、並びに小学生、中学生の子どもを持つ保護者に対して教育コミュニケーションの実態についてアンケートを実施いたしました。このたび、その調査結果をまとめましたのでご報告いたします。

1.親も教師も、互いに「時間が合わない」、「相手が忙しい」と感じている。

<子どもの担当教師とのコミュニケーション方法について>(n=850)
  n 連絡帳 直接口頭での会話 学校行事 プリント・配布文書 面談(面接) 家庭訪問 固定電話 携帯電話 学校のメール配信サービス、オンラインサービス 課外活動 担任とのEメールのやり取り 担任との携帯電話を使ったメールのやり取り その他 特にコミュニケーションはない
全体 850 56.2 52.9 36.9 36.7 32.9 29.3 24.2 4.1 3.9 3.5 0.9 0.5 0.8 12.1
小学生保護者 450 73.3 52.4 33.3 33.3 26.7 27.6 20.9 2.4 4.0 3.1 0.7 0.2 0.7 10.9
中学生保護者 400 37.0 53.5 41.0 40.5 40.0 31.3 28.0 6.0 3.8 4.0 1.3 0.8 1.0 13.5

子どもの担当教師と保護者のコミュニケーション手段について保護者に尋ねたところ、小学生保護者の回答トップは「連絡帳」(73.3%)。中学生保護者の回答トップ(53.5%)、そして小学生保護者の回答第2位(52.4%)は「直接口頭での会話」でした。
しかし「直接の会話」と言っても、実際には中々担当教師と保護者が直接対面でのコミュニケーションをとるための時間が作りにくいのが現状のようです。「過去一年間で子どもの担当教師と会った回数」については、小学生保護者、中学生保護者とも一番多かったのは「3~5回」という回答。「0回」という回答も小学生保護者の11.6%、中学生保護者の15.8%に上ります。
共働き家庭もますます増加する中、実際に教師と保護者が顔を合わせる機会を作りたくても作れない家庭もあるようです。

<過去一年間で子どもの担当教師と会った回数>(n=850)
  n 0回 1回 2回 3~5回 6~9回 10回以上
全体 850 13.5 16.2 16.4 28.7 12.7 12.5
小学生保護者 450 11.6 15.8 13.6 30.2 14.9 14.0
中学生保護者 400 15.8 16.8 19.5 27.0 10.3 10.8

カット:和國

■ 保護者側の自由回答ピックアップ

  居住
都道府県
年齢 性別
本来は日ごろからコミュニケーションを取るべきと感じるが、現状では接する時間帯が合わない。 神奈川県 43 父親
日中仕事をしているため、こちらの都合のよい時に先生との連絡が取れないことが多い。 愛知県 39 母親
先生側に連絡を取ろうと思っても「今の時間は忙しいのでは?」と思い、思うように連絡が取れない。 兵庫県 32 母親
教師の時間を拘束しにくいため、密なコミュニケーションが取りにくい。そのためのメールなどの手段だと思われるが、教師からはメールアドレスは教えてくれない。 大阪府 41 母親

■ 教師側の自由回答ピックアップ

  居住
都道府県
年齢 性別
連絡したい家庭に限って(逆に当たり前かもしれないが)共稼ぎだったり・欠損家庭であったりして連絡が取りにくい・取れない、夜間遅くなどで無いと連絡が取れない・家庭訪問・保護者との面談ができない。 埼玉県 51 男性
保護者の仕事ですぐに連絡がとれないことがある。また、連絡帳など子供を通した場合、それを忘れていることがある。 秋田県 41 男性
保護者によって、連絡が取れる時間が異なるので、遅い時間にしか連絡が取れない保護者に対しては、電話や家庭訪問ができず、連絡帳などでのやりとりになってしまう。そこで、気持ちの行き違いが起こることもあり、できれば直接コミュニケーションをとりたいなと感じることがある。 徳島県 36 女性

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2. コミュニケーションロスを解消するためのPC活用については、保護者、教師共に過半数が条件付きで賛成。

<PCを活用したコミュニケーションについて>
  有効だと思う 有効だと思わない
小学校:教師 56.0 44.0
小学校:保護者 63.0 37.0
<PCを活用したコミュニケーションについて>
  有効だと思う 有効だと思わない
中学校:教師 55.0 45.0
中学校:保護者 71.0 29.0

現状のコミュニケーションロスを解決する手段として、教師、保護者ともに過半数が「PCの活用が有効だと思う」と回答しています。
お互いの時間のずれを気にしないでやりとりができるメールの活用や、掲示板などによる子どもも交えたコミュニケーション手段、緊急時の一斉連絡などが特に有効手段として捉えられているようです。
ただし、賛成派も「対面でのコミュニケーションが第一であることが前提である」ことを明記しています。文字に頼ったコミュニケーションによる意識のずれや行き違い、PC活用のコミュニケーションに頼りすぎることでますます対面コミュニケーションが薄れていくのでは、という心配の声も上がっています。また、教師側からはPC活用に頼りすぎることで、各家庭のITディバイドがコミュニケーションに影響するのでは、という懸念の声も上がっています。
対面でのコミュニケーションの機会を失わないよう互いが努力しつつ、物理的、時間的な問題の解消や補助的な手段としてPCを活用していく、というのが教育コミュニケーションでは望ましいようです。

■ 自由回答ピックアップ

  居住
都道府県
年齢 属性
時間を気にせずに、言葉が言える。
わざわざ電話などをすると相手に大げさに思えることもメールだと受け取ってもらいやすい。(勿論、お礼などちゃんとしなければならないものは口頭でしますが…)
宮城県 45 母親
パソコンでのコミュニケーションで先生側が十分できたと思う教師ができてくると考えられる。あくまでも”少数派の手段として使うこと”を教師に教育しないと危険である。 兵庫県 39 父親
それぞれの家庭での事情があり(仕事など)、学校行事や学級懇談に参加できない保護者同士が、パソコンのメールなどによって時間帯など関係なくつながりを持つことができるのではないかと思う。 熊本県 43 教師
パソコンを持っていない、あるいは利用が上手くできない人も居て公平にコミュニケーションが取れないのではないか。 群馬県 49 教師

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3. 教師・保護者間でコミュニケーションの達成意識に大きなギャップ。一因は「モンスターペアレント」か。

教師と保護者間のコミュニケーションの現状について、教師、保護者はどのように感じているでしょうか。

小学校
  n ほぼ全員と密にコミュニケーションが取れている 一部とは密にコミュニケーションが取れている あまりコミュニケーションが取れていない 全くコミュニケーションが取れていない
小学生:教師 450 22.8 57.2 12.3 1.0
  n 密にコミュニケーションが取れている あまりコミュニケーションが取れていない 全くコミュニケーションが取れていない
小学生:保護者 450 17.6 56.7 25.8
中学校
  n ほぼ全員と密にコミュニケーションが取れている 一部とは密にコミュニケーションが取れている あまりコミュニケーションが取れていない 全くコミュニケーションが取れていない
中学生:教師 400 13.7 58.4 21.3 2.1
  n 密にコミュニケーションが取れている あまりコミュニケーションが取れていない 全くコミュニケーションが取れていない
中学生:保護者 400 15.3 59.8 25.0

小学校、中学校共に、教師の意識と保護者の意識に大きな開きがあることが分かります。保護者側の視点で見ると、「全くコミュニケーションが取れていない」と感じる保護者は全体の4分の1以上になります。そして教師側は前項のPCを活用したコミュニケーションについても、保護者側と比較して消極的な現状が見受けられます。

それでは、意識のギャップはどのようなところから生じるのでしょうか。
教師側の「保護者とコミュニケーションをとる際に問題だと思う点」の自由回答から、ある傾向が散見されます。

■ 自由回答ピックアップ

  居住
都道府県
年齢 属性
モンスターペアレントの多い地域性でもあるため、個人情報は、できるだけ公開したくない。 大阪府 52 教師
あまり聞く耳をもたれず、モンスターペアレントといわれる保護者がいる。 佐賀県 41 教師
保護者の意識が大きく変わってきており、こちらの好意でしたことが、うまく伝わらないことがある。指導のしかたにも細かく気にしておかなければならないため、つっこんだ指導ができにくいこともある。 香川県 45 教師
保護者の中に我が子への溺愛や、こちらが公務員であることについて「私たちが金を払っている」という意識があり、コミュニケーションが成立しないことがある。 兵庫県 30 教師

「学校に理不尽な要求やクレームを持ち込み、教育現場を混乱させる親=モンスターペアレント」については以前からメディアなどでも取り上げられていますが、教師側からの回答の中にも実際に「保護者側からのクレーム」や「保護者からの指導に対する反発」を教師と生徒、教師と保護者とのコミュニケーションにおける障害、問題点と捉える回答が多数上がっています。前項で取り上げた教育コミュニケーションにおけるPC活用についても、文字のコミュニケーションから来る過剰な保護者の反応やクレームの可能性から消極的な姿勢を示す教師も多いようです。 一方で保護者側からは、学校がクレームを恐れる余り保護者とのコミュニケーションを避ける傾向があり、教師に相談をしたくても深い話がなかなかできないことや、学校への電話禁止や互いの電話番号の非公開など、過剰な個人情報保護の弊害を指摘する声も上がっています。

カット:和國

■ 自由回答ピックアップ

  居住
都道府県
年齢 属性
価値観、教育観の一致が見られない場合が少なくない。生徒指導面でも、生徒のより一層の伸長を目指しての所作に対しても、時には保護者から理解が得られなかったり、反発を受けたりする。精一杯やり過ぎたら、かえって馬鹿を見る場面もある。この現状では、情熱を持って指導する教職員は漸減していくのではないかと危惧している。 北海道 46 教師
近年の過剰な人権意識、周囲の反応など。
また、マスコミの何でもおもしろければ(あるいは視聴者や読者が多く得られれば…)という風潮…社会的責任はどこへ?
教育に威厳が失われつつある?
つまり、何かと問題が起こることもしばしばだが、ドラマや一部タレント化した教師を持ち上げて、そうでない先生はだめだというような風聞をでっち上げていることが、保護者と学校の信頼関係、教師と生徒の信頼関係を損なっていると感じる。
我々教師サイドも努力が足りないかもしれないが、大部分の先生は必死で生徒のことを考えて、何とかしようと取り組んでいることを知ってもらいたい。
鹿児島県 41 教師
ある程度本音で話そうと試みるが、構えられてしまうことが多い。
苦情を言われると思い込んでいる節があり、学校行事等で行くことが多いわけですが、なかなか話せない。
それだけつまらない事で苦情を言う馬鹿親が多いって事なのか…
失望しつつ、先生には同情します。
宮城県 41 母親
学校への保護者からの電話が基本的に禁止されている。朝、学校を休むときに電話でなく連絡帳で知らせることになっているが、周りに知り合いがいないので困る。 東京都 35 母親

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【「小中学校における教育コミュニケーション実態調査」概要】

[調査目的] 小中学校の保護者、教師間のコミュニケーション実態を探り、関係各位の参考に供する。
[調査対象] 1.全国在住、かつ長子が小学校、もしくは中学校在学の男女
2.全国在住の現在小学校、もしくは中学校に在籍する教職員(管理職を含む)男女
[調査手法] インターネット調査
[有効回答数] 1,700人 (保護者850人、教職員850人)
[調査時期] (保護者対象調査)2007年6月14日(木)~2007年6月15日(金)
(教職員対象調査)2007年6月11日(月)~2007年6月12日(火)

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