トップ > HOME'Sリサーチ > 季節・ニュース > 関心の強さにもすでに「地域格差」。全国1万人対象「ふるさと納税」に関する意識調査

納税者が自分の税金のうち一部を自分の出身地に支払うことができるようにしようという「ふるさと納税」制度。菅総務相によって提唱されたこの構想は、導入や名称を巡って与野党や地方自治体の間で様々な論議を呼んでいます。地方と都市圏との格差是正を狙いとした「ふるさと納税」構想、果たして全国各地域の人々にはどのように受け止められているのでしょうか。日本全国1万4,000人以上を対象に、地域・生活者コミュニティサイト「Lococom」を運営するネクストが調査してみました。
※本アンケートでは、「ふるさと納税」の定義について、
『「ふるさと納税」とは、納税者が生まれ育った故郷の自治体などに、個人住民税の一部を納めることができるようにしようという構想である。大都市と地方の税収格差是正などが目的となっている。』
としています。アンケート内で「ふるさと納税」についての意味解説を行った際も、上記の定義を使用しています。
そもそも「ふるさと」とは、人々にとって何を指すものでしょうか?
| 現在住んでいる土地が「ふるさと」である | 46.3% |
|---|---|
| 現在住んでいる土地以外に「ふるさと」がある | 46.4% |
| ない | 7.3% |
| 子供時代(中学生まで)に自分が実際に住んでいた土地 | 51.9% |
|---|---|
| 両親や実家や親戚の家などがあって、よく遊びに行っていた土地 | 15.5% |
| 学生時代に住んでいた土地 | 2.2% |
| 自分の家族が現在住んでいる土地 | 28.3% |
| その他 | 2.1% |
9割以上が「ふるさと」があると回答。そして回答者の約2人に1人が、「現在住んでいる土地のほかに『ふるさと』がある」と回答しています。回答者全体の約半数が、「ふるさと納税」制度の対象となる可能性があることになります。
そして「ふるさと」の定義については、「ふるさとがある」と回答した人の半数以上が「子供時代(中学生まで)に自分が実際に住んでいた土地」と回答しています。
「ふるさと納税」構想の認知については、詳細な内容まで含めての認知者は全体の1割弱の9.4%。逆に38.2%の回答者が「全く知らない」と答えています。
地域別に見たところ、全体的な傾向には大きな違いは見られないようですが、京阪神の認知率は他地域と比較して低めの傾向が出ています。
| 地域 | 詳細な内容まで含めて知っている | 漠然と知っている | 名前を聞いたことがある程度 | 全く知らない |
|---|---|---|---|---|
| 平均 | 9.4% | 30.6% | 21.9% | 38.2% |
| 一都三県 | 9.8% | 31.6% | 21.4% | 35.3% |
| 京阪神 | 10.4% | 28.0% | 22.6% | 41.3% |
| その他の 政令指定都市所在地 |
9.1% | 33.0% | 21.6% | 36.2% |
| その他の県 | 9.1% | 30.9% | 21.8% | 37.8% |
「ふるさと納税」について、構想の内容を解説した上で賛否を答えてもらいました。
賛成派は全体の42.5%。しかしその内の大多数にあたる全体の35.9%は、「条件付で賛成」と回答しています。
| 全体的に賛成 | 6.6% |
|---|---|
| 条件付で賛成 | 35.9% |
| どちらでもない | 38.7% |
| 反対 | 18.7% |
| ふるさと納税を行うか行わないか、納税者に選択権が与えられる | 51.5% |
|---|---|
| ふるさと納税の利用され方について、事前に同意が得られる | 49.2% |
| ふるさと納税の運用結果について、通知を受け取ることができる | 49.0% |
| 納付割合は自由に自分で決められる | 47.9% |
| ふるさと納税の利用され方について、納税者に選択権が与えられる | 47.7% |
| 納税先の自治体は自由に自分で決められる | 43.1% |
| その他 | 2.9% |
「ふるさと納税」の賛否について地域別に比較してみたところ、「地方=賛成」、「首都圏、都市部=反対」という傾向が顕著に現れている様子が伺えます。
| 地域 | 全体的に賛成 | 条件付で賛成 | どちらでもない | 反対 |
|---|---|---|---|---|
| 平均 | 6.6% | 35.9% | 38.7% | 18.7% |
| 一都三県 | 4.9% | 33.3% | 38.5% | 23.2% |
| 京阪神 | 5.3% | 34.8% | 40.3% | 19.7% |
| その他の 政令指定都市所在地 |
6.3% | 34.9% | 40.0% | 18.8% |
| その他の県 | 8.2% | 38.8% | 37.8% | 15.1% |
| その他の地方の賛成派 | 市町村の教育費関連の支出は、子どもがいれば必要になるのに、成長した子どもが働いて税金を納める頃には大都市に出て行ってしまっては、地方は『払い損』になってしまう。ふるさと納税のような考えは同感できる。(岩手県41歳女性:パート・アルバイト) |
|---|---|
| 市町村合併などにより、明らかに前よりも不便になったという事例を経験したことがあります。納得のいかない自治体に税金を納めるより、自分のふるさとなど、思い入れのある土地の発展のため、納税先を選べるのは良いと思いました。(三重県30歳男性:会社員) | |
| 昔、若者を都会がかき集めて裕福になり、地方をないがしろにした「つけ」が今の状態だと思います、都会はおごっています、もう少し、日本全体を見て政治をしてもらいたい、そのためには、姑息な税体制でなく弱者に優しいことをかんがえてもらいたいとおもいます。(高知県69歳男性:自営業) |
| 首都圏の反対派 | 東京生まれの東京育ちなので理解できない(神奈川県51歳男性:自営業) |
|---|---|
| 田舎思考の自業自得である(東京都27歳女性:パート・アルバイト) | |
| 都会の方が収入が多いので地方格差が有るというので有れば都会に住めば良いと思う。(東京都37歳女性:無職) |
また、「ふるさと納税」構想のそもそもの発端である、地方と都市の税制格差などに関する考え方についても明確な違いが出ました。
| 地域 | 非常にそう思う | そう思う | どちらでもない | あまりそう思わない | まったくそう思わない |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均 | 22.2% | 47.0% | 21.4% | 7.5% | 1.9% |
| 一都三県 | 14.4% | 46.3% | 26.0% | 10.5% | 3.1% |
| 京阪神 | 17.7% | 48.9% | 22.0% | 9.4% | 2.0% |
| その他の 政令指定都市所在地 |
23.3% | 48.3% | 20.4% | 6.6% | 1.4% |
| その他の県 | 28.1% | 46.0% | 19.1% | 5.4% | 1.8% |
| 地域 | 非常にそう思う | そう思う | どちらでもない | あまりそう思わない | まったくそう思わない |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均 | 23.6% | 45.1% | 24.9% | 5.1% | 1.4% |
| 一都三県 | 17.9% | 43.8% | 29.2% | 7.0% | 2.1% |
| 京阪神 | 23.0% | 46.4% | 24.6% | 4.8% | 1.2% |
| その他の 政令指定都市所在地 |
23.8% | 46.7% | 24.0% | 4.5% | 1.0% |
| その他の県 | 27.2% | 44.5% | 23.0% | 4.2% | 1.1% |
ただし、不安・不信に思われる点には、地方、都市部の格差は無いようです。
| 地域 | 非常にそう思う | そう思う | どちらでもない | あまりそう思わない | まったくそう思わない |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均 | 41.3% | 41.7% | 14.3% | 2.1% | 0.6% |
| 一都三県 | 42.8% | 41.1% | 13.8% | 1.7% | 0.6% |
| 京阪神 | 41.0% | 41.2% | 15.5% | 1.9% | 0.5% |
| その他の 政令指定都市所在地 |
40.7% | 42.0% | 15.1% | 1.9% | 0.4% |
| その他の県 | 40.3% | 42.5% | 13.9% | 2.6% | 0.7% |
「ふるさと」のそもそもの定義、税金が適正に使われているかどうかの不透明性、地方格差の根本的な解決にはならないのではないかなど、構想に賛成派の人も反対派の人も、抱える疑問や不安は尽きないようです。
| 居住 都道府県 |
年齢 | 性別 | 職業 | |
|---|---|---|---|---|
| 今まで、各地区で納められていた地方税が会社等の会計システムの変更で本社で一括で地方税を納めるようになってきている。これによって法人税の地方分が大都市に納められている。これでは、地方の納税額が減少し、大都市部では増加し、大企業が集中している東京を中心とした首都圏が有利になっている。「ふるさと税」が自分の意思によって決めることが出来る構想はとてもいいことだと思います。日本全国どこに居住していても同じような生活ができる環境作りにも必要不可欠。 | 北海道 | 38 | 男 | 公務員 |
| 行政区割りがまだまだ細かすぎると思う。細かいと無駄な経費が発生する。税収格差を論じる場合、無駄の発生をいかに抑えるかも同時進行で考えていただきたい。 | 宮城県 | 48 | 男 | 経営者・役員 |
| 地方公務員の人数や年収を抑えない限り、税収格差以上に深刻な地域内格差が解消できない。 | 秋田県 | 50 | 男 | 会社員 |
| 工場誘致等「地方経済活性化」のため高速道路・新幹線の整備を前倒しに促進する。中国に比べ建設遅々として進んでいない。このままでは経済力でも遠からず追い抜かれるだろう。狭い国土の有効利用と地方格差是正策として工場の地方分散優遇税制措置なども講じたら良い。 | 千葉県 | 70 | 男 | 無職 |
| 広義のソフト開発や精密機械の製造のように、地方に拠点を置く方が有利な業種もある。いまの地方格差が拡大すると、都市部と地方とで保守・確信の対立が復活したり、保守政党が分裂することもあるのではないか。もし、そうした情況になるとしたら、55年体制当時の対立より、尖鋭で暴力的なものになるような気がする。 | 東京都 | 51 | 男 | 会社員 |
| 地方の税収入が増えたとしても、地域活性化のため、とか言って、わけのわからない無駄に豪華な施設を作るんだったら意味がない。 | 岐阜県 | 25 | 女 | 専業主婦 |
| 中央集権的な政策や企業の大都市集中を改善して地方の産業の活性化を図ることが先決、小泉内閣の構造改革が間違いだったことが格差の拡大で実証された | 大阪府 | 50 | 男 | 無職 |
| 東京中心過ぎる。でもそれを支えてるのは、地方から東京に出てきた人の納税で支えられてる。定年を迎えふるさとに帰った人を待っているのは、侘しい地方の福祉、やはり、ふるさとに帰る事を確約できる人は、何割かを地方へ納税できる、システムも必要ではないだろうか? | 兵庫県 | 58 | 女 | 自営業 |
| 未だに道路整備が遅れているからといってすべてを道路整備に回してる地方のやり方に疑問を感じる。もう少し先を見据えた税金の使い方を考えて欲しい。都市部のようにすでに道路があるのにそれを壊してまた作りなおすという考え方(日本橋の空など)が道路の整備が出来ていない地方から見ればムダに感じる。 そして税金の使い道としていわゆる箱物に頼るのはいかがなものかと思う。未だに箱物に頼ってる感のある山陰はかなり出遅れ。仮に箱物を建てるにしてももっと色々な大都市の企業などのノウハウをきちんとまなんで欲しい。 |
島根県 | 32 | 女 | 専業主婦 |
| ふるさとに送金したい気持ちはわかりますが、現在お世話になっているところに税金を収めた方がよい。結局は現在の住民票があるところで、公共福祉のサービスを受けるのであれば、サービスを受けるところで納税をすべきではないかと思います。また、地方自治体も税金がどのくらい入るのか予想がつかず、そのために予算がたたないのではないかという懸念もあります。 | 福岡県 | 38 | 女 | 会社員 |


カット:和國
| [調査目的] | 「ふるさと納税」に関する国民の意識を探り、関係各位の参考に供する。 |
|---|---|
| [調査対象] | 全国在住の15歳以上の男女 |
| [調査手法] | インターネット調査 |
| [有効回答数] | 14,014人 (男性7,055人、女性6,959人) ※回答データに対し、平成17年度の国勢調査県別人口構成比に合わせて ウエイトバック集計を行なった |
| [調査時期] | 2007年5月18日(金)~2007年5月20日(日) |
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